The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-50~O-55 特別支援教育/インクルーシブ教育

座長:竹鼻 ゆかり(東京学芸大学)

[O-50] インクルーシブ教育における保健室の役割ーあいまい来室者の「教育的ニーズ」についての研究ー

矢内 幸子 (伊是名村立歯科診療所)

Keywords:インクルーシブ教育、保健室、あいまい来室者

目的SDGs(持続可能な開発目標)の中で、包括的教育(inclusive education)が必要であることが謳われているが保健室の研究は少ない。特に理由がなく保健室を訪れる「あいまい来室者」が、保健室を利用するに至った背景と「教育的ニーズ」の関連性を研究し、インクルーシブ教育における保健室の役割を明らかにする。方法小中学校養護教諭13人対象に半構造化面接法インタビュー調査を実施、質的データ分析SCAT使用。結果「教育的ニーズ」の曖昧な部分は[早期発見早期対応]の意味を持つことが明らかとなった。理論的枠組み【リスクの報告】は[早期発見][気づき][2次障害][報告]【あいまい性の保持】は[多様性][教育的ニーズ][わかりにくさ]【避難所的空間】は[場][環境調整]、理論記述は【共通性(一般性)】[養護][SST][リソースルーム][組織内連携][記録]【差異性(個別性)】[生活モデル][モニタリング][個人的要因環境的要因]にカテゴリー化された。結論子どもが来室することによって生じる養護教諭のはたらき(role)を役割、子どもが来室することによって生じる保健室のはたらき(function)を機能とした結果、インクルーシブ教育において現時点で特定できる役割はなく、子どもが来室することによって生じる保健室のはたらきとして【リスクの報告】【あいまい性の保持】【避難所的空間】には、今後保健室においてインクルーシブ教育で果たすべき機能があった。