The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-50~O-55 特別支援教育/インクルーシブ教育

座長:竹鼻 ゆかり(東京学芸大学)

[O-55] アウトリーチ型家庭教育支援から見た子供の発達課題―教育・福祉・保健の連携・協働で切れ目のない支援を―

上田 さとみ1, 南 紳也1, 中本 麻美2, 柿原 愛子2,4, 北野 尚美3 (1.和歌山県湯浅町教育委員会, 2.和歌山県湯浅町健康推進課, 3.和歌山県立医科大学医学部, 4.湯浅町立湯浅小学校)

Keywords:アウトリーチ、家庭教育支援、発達

【目的】急激な社会環境の変化に伴う地域社会の希薄化や地域から孤立した家庭、貧困など、子供たちの生活環境も大きく変化し、いじめや不登校・怠学・非行など問題行動が複雑化・多様化している。特に発達に課題を抱えた子供たちが増加している現状があり、学校では個別の支援や指導の課題があり、養育の困難さや子育てに不安を抱えている家庭も多い。訪問型家庭教育支援の経験を通して、関係機関との連携・協働と、発達課題を抱えた子供への対応及び家庭への支援のあり方を検討した。【方法】湯浅町でのスクールソーシャルワーカー(SSW)を中心としたアウトリーチ型家庭教育支援チーム「とらいあんぐる」の13年間の活動から見えてきた子供の発達課題と、複数の関係機関が多方面から総合的にかかわる体制整備が進んだ経緯を整理し考察した。【結果】支援チームは乳児期から義務教育終了まで全ての子育て家庭を訪問し、家庭・学校・地域と連携しながら福祉的な視点で子供たちの環境改善に取り組んだ。全戸家庭訪問の仕組みができたことで、切れ目なく家庭教育支援が可能となり、発達相談対応や適切な関わり支援を通して家庭への介入が可能となった。更に、5歳児健診の事業化によって保健師、保育士、心理士、小児科医らと連携・協働して複数の関係機関が多方面から総合的にかかわる体制整備が進み、教育・福祉と保健の連携が一層強固となった。【結論】子育て家庭へのユニバーサル型訪問支援は、発達段階に応じた切れ目のない支援の実現に有益である。