The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-56~O-61 発育・発達、体力・体格

座長:上地 勝(茨城大学)

[O-59] COVID-19感染拡大による小学生の運動・スポーツへの取り組みの変化と運動器所見の変化との関連

可西 泰修1, 鎌田 浩史2,3, 中島 亮一4, 伴 敦彦4, 都丸 洋平2, 山崎 正志2,3, 宮川 俊平2, 中田 由夫5, 白木 仁5 (1.筑波大学 医学医療系, 2.筑波大学 医学医療系 整形外科, 3.筑波大学附属病院 つくばスポーツ医学・健康科学センター, 4.筑波大学大学院 人間総合科学研究科, 5.筑波大学 体育系)

Keywords:COVID-19、運動器検診、身体活動

【目的】COVID-19流行前後の運動器検診結果を用いて、個人の運動・スポーツへの取り組みの変化と運動器所見の変化との関連を明らかにすることを目的とした。【方法】I県内の義務教育学校1校の2019年度の小学1年~6年生867名のうち、2022年度まで4年間続けて検診を実施できた682名(78.6%)を分析対象とした。整形外科医が学校において直接行った運動器検診結果を用い、各項目における所見の有無を経年的に追跡した。さらに、2022年度の問診票において、COVID-19感染拡大前と現在を比較して、運動・スポーツに取り組む時間を確認し、減少群、変化なし群、増加群に群分けした。統計処理には、4年間の所見率の差を確認するために、CochranのQ検定を用い、有意差があった場合には、McNemar検定を用いて多重比較を行い、年度間の所見の変化を確認した。【結果】減少群は男子66.4%、女子52.3%、変化なし群は男子29.6%、女子42.1%、増加群は男子4.0%、女子5.6%であった。前屈制限の有所見者の割合について、減少群の4年間で有意差が認められ、多重比較の結果、2019-2022間、2020-2022間、2021-2022間で所見率の増加が認められた。変化なし群と増加群では、4年間の所見率に有意差は認められなかった。【結論】COVID-19感染拡大前と比較して、運動・スポーツに取り組む時間が減少した者は男女とも半数以上いた。これらの取り組みが減った者は、前屈制限の所見が増えており、感染拡大による長期的な影響の可能性が示唆された。