The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(ポスター)

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P1~P6 新型コロナウイルス感染症1

座長:羽賀 將衛(北海道教育大学)

[P-6] 新型コロナウイルス感染症によるストレス反応や不登校傾向への影響について-縦断調査による感染拡大前との比較から-

小林 朋子 (静岡大学 教育学部)

Keywords:不登校傾向、ストレス反応、新型コロナウイルス感染症

【目的】Orben, et al(2020)は,新型コロナウイルスによる身体的距離を置く対策が一時的なものであったとしても,数ヶ月間にわたって身体的距離をあけることは,発達の敏感な時期にある若者への影響は成人よりも強くなる可能性があると指摘している。子どもの自殺や不登校の増加が報告されている(文部科学省,2021)。そこで本研究は、縦断調査を用いて、感染前のデータと拡大後のストレス反応と不登校傾向のデータを比較した【方法】調査は、調査開始時点で小6の児童を対象とし中2まで縦断調査を行った。感染前の群として、2017~2019年度にかけて行われたデータと、感染拡大後の群として2019年~2021年までのデータを用いた。調査内容は、ストレス反応質問紙(石原・福田,2007)と小中学生用不登校傾向尺度(五十嵐,2015)を用いた。【結果および考察】感染拡大前群は、325名(男子169名、女子156名)、感染拡大後群は263名(男子127名、女子136名)であった。群と学年(小6~中2)を独立変数とした分散分析を行ったところ、交互作用が有意であったのは、「不安・抑うつ」であったが、他の5つのストレス反応については交互作用が認められなかった。さらに、不登校傾向では、「全般的な登校意欲の喪失傾向」において交互作用が認められたが、他の下位尺度では交互作用が認められなかった。以上の結果から、拡大後においてストレス反応や不登校傾向が拡大前に比べて高くなっていないことが明らかになった。