[P-30] 小中学校における睡眠教育の現状と課題:養護教諭へのインタビュー調査による検討
Keywords:睡眠教育、養護教諭、インタビュー
【目的】本研究は、小・中学校における睡眠教育実践の現状と課題を明らかにすることを目的とした。【方法】2020年1月~2021年3月の期間に、小・中学校養護教諭(養護教諭5名、教頭1名)へのインタビュー調査を行った。調査時間は1人につき60分~90分程度とした。調査方法は、半構造化インタビューとし、睡眠教育の実施体制、計画、実施、評価、行動変容などについて尋ねた。インタビュー調査の結果を文字情報に変換した後に文脈をコード化し、類似するコードをまとめてサブカテゴリー〈〉、カテゴリー[]を生成した。【結果】[教材]について、〈視覚的教材〉〈生活習慣チェックカード〉の2つのサブカテゴリーが抽出され、児童生徒の興味をひき、行動変容を狙った教材が作成されていた。[教育方法]について、〈集団指導〉〈個別指導〉の2つのサブカテゴリーが抽出され、子どもが授業の準備を行うなどの工夫や、養護教諭が行う動機づけ面接などの個別指導の実態が確認された。[睡眠教育の難しさ]について、〈実施体制〉〈家庭との連携〉〈個々の子どもへの対応〉〈睡眠習慣が改善されない〉の4つのサブカテゴリーが抽出され、忙しい家庭の状況や養育態度が前向きでない保護者との連携の難しさ、ゲームに依存する子どもへの対応の難しさ、子どもの睡眠習慣を変容・維持することの難しさなどが実感されていた。【結論】本研究において、小・中学校における睡眠教育実践の現状と課題に関する示唆が得られた。