The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(ポスター)

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P56~P61 メンタルヘルス2

座長:渡邉 正樹(東京学芸大学)

[P-59] 中高生における相談相手の数と精神的健康の縦断的関係の検討

西田 明日香1, 小川 佐代子1, 對比地 覚3, 米原 裕美3, 磯谷 由希3, 東郷 史治1, 佐々木 司1 (1.東京大学大学院 教育学研究科 身体教育学コース, 2.日本学術振興会特別研究員(DC), 3.東京大学教育学部附属中等教育学校)

Keywords:中高生、相談相手、不安・抑うつ症状

【目的】思春期では対人関係が複雑化するとともに精神不調が急増する。中でも相談相手がいない・少ない中高生は精神不調を抱えているリスクが高い。しかし、思春期において相談相手の数を増やす介入が精神不調を予防・緩和するかを検討するために重要な縦断研究は行われていない。そこで本研究は、相談相手の数と精神的健康の縦断的関連を中高生において検討する。
【方法】都内在中の中高一貫校に通う中学1年生から高校3年生1,518名の、自記式質問紙調査による最大6年間の追跡データを用いた。相談相手の数(いない・1~3人・4人以上)と不安・抑うつ症状(GHQ-12スコア)の縦断的関連を自己回帰交差遅延モデルを用いて検討した。
【結果】相談相手が4人以上いる生徒は相談相手がいない生徒に比べ翌年のGHQ-12スコアが有意に低かった。一方で相談相手が1~3人いることと翌年のGHQ-12スコアには有意な関連が認められなかった。またGHQ-12スコアが1点高いことは翌年に相談相手が4人以上いる割合が低いことと有意に関連していた。
【結論】中高生において相談相手がある程度いること(4人以上)は翌年の不安・抑うつ症状を減少させることができる可能性がある一方で、数が少ない(1~3人)とその効果がないことが考えられる。また不安・抑うつ症状を軽減させることが翌年に相談相手がある程度いる可能性を向上できることが考えられる。
【倫理的配慮】本研究は東京大学ライフサイエンス委員会倫理審査専門委員会で承認されている(15-128).