The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(ポスター)

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P62~P66 発育・発達、体力・体格

座長:寺田 和史(天理大学)

[P-64] 仙台市小学6年生における肥満傾向児の出現率の推移について(平成18年度~令和2年度)

黒川 修行 (宮城教育大学)

Keywords:肥満度、分布、

【目的】学校保健統計調査では、肥満傾向児の出現率が毎年公表されているが、東北地方における児童の肥満傾向児出現率の高いことが知られている。今回は仙台市の小学6年生の肥満の現状、特に肥満傾向率の出現率の経年変化について、明らかにすることを目的とする。【方法】今回の解析対象年度は平成18年度(H18)から令和2年度(R2)であった。これらのデータは学校保健安全法(学校保健法)に基づいて行われている学校健診時に測定された値である。測定値の解析は性・年度別に行った。肥満度の算出は、学校保健統計調査で使用されている性・学年・身長別標準体重に依る方法を用いた。肥満度が20%以上の者を肥満傾向児とした。【結果およびまとめ】H22 年以前には、男女ともに10%を越えていた出現率が年々減少し、H23に男子で10.6%、女子では9.0%となった。その後は男女で異なり、男子では若干の上昇傾向を示した。女子では減少傾向が続き、R1の出現率の割合は、7.6%とこの期間における最小値を示した。R2に男女とも数値の上昇を示した。コロナウイルス感染症の感染拡大対策などにより、学校の休業や外出の自粛など、子どもたちの生活環境が大きく変化したことによるものとも考えられた。また、肥満度の算出方法の限界性も考えられる。例年に比べ、健診実施時期が遅くなっており、肥満度算出に使用する身長・体重が大きくなっていることも、出現率に影響を与えている可能性も示唆された。これらの点については、今後精査する必要があると考えられた。