[SAL] 健康の自己管理のための学校健診結果の理解と活用に介在する要因―A府における小・中・高校生を対象とした調査より―
Keywords:健康診断結果、理解、活用
【背景】
健康の自己管理のためには,健康診断結果(以下,健診結果)の活用が重要視されている.高校を卒業するまでの児童生徒は定期健康診断を受ける機会があるため,高校卒業までに健診結果活用に関する保健教育を実施する必要がある.しかしながら,児童生徒の健診結果活用の状況はこれまで明らかにされてこなかった.また,健診結果の理解と活用の直接的な関連性は弱く,両者間には個人内要因が介在する可能性があった.
【目的】
小・中・高校生の健診結果を活用した健康の自己管理の状況,それらの校種及び性による差,健診結果の理解と活用間に介在する要因を検証した.
【方法】
2019年に小学5年生(328名),中学2年生(173名),高校2年生(273名),計774名を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った.調査内容は「健診結果の理解」2項目(複数回答),「リスク・対策の必要性の認識(以下,リスク・対策の認識)」4項目,「予防動機」7項目,「健診結果の活用(以下,活用)」7項目であった.
【結果】
(1)「健診結果の理解」及び「リスク・対策の認識」得点は,小学生よりも中学生の方が有意に高かった.具体的には,「リスク・対策の認識」における予防措置の有用性の認識,「予防動機」における情報や治療法探索の動機,「活用」における対策の自己判断は,校種が上がるにつれて向上した.一方,「リスク・対策の認識」における疾病異常の重大性の認識や「予防動機」における生活習慣の改善,翌年度の健診結果の注視,「活用」における家族への相談や結果の指示に従う等の項目については低下した.
(2)「健診結果の理解」や「活用」等の状況は男子よりも女子が有意に高かった.
(3)「健診結果の理解」から「リスク・対策の認識」「予防動機」を介して「活用」に至るモデルが良好な適合度を示した.
【結論】
健診結果を活用した健康の自己管理の状況は,校種及び性によって異なった.また活用までには,健診結果を正確に理解して,結果からリスクや対策の必要性を認識し,予防への動機を感じることを経て活用に至るという段階がある可能性がある.
健康の自己管理のためには,健康診断結果(以下,健診結果)の活用が重要視されている.高校を卒業するまでの児童生徒は定期健康診断を受ける機会があるため,高校卒業までに健診結果活用に関する保健教育を実施する必要がある.しかしながら,児童生徒の健診結果活用の状況はこれまで明らかにされてこなかった.また,健診結果の理解と活用の直接的な関連性は弱く,両者間には個人内要因が介在する可能性があった.
【目的】
小・中・高校生の健診結果を活用した健康の自己管理の状況,それらの校種及び性による差,健診結果の理解と活用間に介在する要因を検証した.
【方法】
2019年に小学5年生(328名),中学2年生(173名),高校2年生(273名),計774名を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った.調査内容は「健診結果の理解」2項目(複数回答),「リスク・対策の必要性の認識(以下,リスク・対策の認識)」4項目,「予防動機」7項目,「健診結果の活用(以下,活用)」7項目であった.
【結果】
(1)「健診結果の理解」及び「リスク・対策の認識」得点は,小学生よりも中学生の方が有意に高かった.具体的には,「リスク・対策の認識」における予防措置の有用性の認識,「予防動機」における情報や治療法探索の動機,「活用」における対策の自己判断は,校種が上がるにつれて向上した.一方,「リスク・対策の認識」における疾病異常の重大性の認識や「予防動機」における生活習慣の改善,翌年度の健診結果の注視,「活用」における家族への相談や結果の指示に従う等の項目については低下した.
(2)「健診結果の理解」や「活用」等の状況は男子よりも女子が有意に高かった.
(3)「健診結果の理解」から「リスク・対策の認識」「予防動機」を介して「活用」に至るモデルが良好な適合度を示した.
【結論】
健診結果を活用した健康の自己管理の状況は,校種及び性によって異なった.また活用までには,健診結果を正確に理解して,結果からリスクや対策の必要性を認識し,予防への動機を感じることを経て活用に至るという段階がある可能性がある.