The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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特別講演

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特別講演2
明日からはじめる、学校における災害の備え CSCATTTを中心に

Sun. Nov 6, 2022 9:30 AM - 10:30 AM LIVE配信第1会場

座長:藤田 大輔(大阪教育大学)

[SL2] 明日からはじめる、学校における災害の備え CSCATTTを中心に

那須 亨 (医療法人大植会葛城病院 和歌山県立医科大学救急集中治療医学講座)

Keywords:災害対応、CSCATTT、トリアージ

はじめに
 災害は台風や地震のような自然災害だけでなくパンデミックやテロなど様々な種類がある。誰もがいつか被災する可能性があり、学校も例外ではない。特に教員は被災者でありながら子どもたちを守る支援者にならざるを得ない。本邦の災害対応の基本的な考え方である「CSCATTT」を用いて、学校現場における災害の備えと対応について共に考えたい。
Command & Control(指揮命令系統)
発災して一番はじめに行う災害対応は指揮命令系統の確立である。いくら有能な人物が多数揃っていても「烏合の衆」になっては効果的な活動は決してできない。学校では校長が指揮者であるが、実際の現場では養護教諭がリーダーになるであろう。
Safety(安全の確保)
 特に「現場」「生存者」「自分(支援者)」の3つの安全確保が重要である。ではこれらの優先順位はどのようになるだろうか。また安全を確保するには何が必要だろうか。
Communication(情報伝達)
 学校での情報伝達は校内放送や内線電話が使われていると思われるが、被災して停電すればこれらは使用できない。通信における代替手段は準備されているだろうか。
Assessment(評価)
 災害対応に必要な情報つまり、災害の種類・危険物の有無・被災者の数などを整理し、災害の全体像を把握し評価することである。
Triage(トリアージ)
 トリアージとは処置を必要とする被災者を見極め、適切な処置を行うための優先順位を決めることである。災害時は物的人的資源が限られており、できるだけ多くの人命を救うために優先順位をつけなければならない。
Treatment(治療)
 学校で行える処置・治療は限られているが、実際に何ができるだろうか。またそのために何を準備しておくべきだろうか。
Transport(搬送)
 処置を終えた傷病者を学校内のどこに移動させるべきか。また病院へ搬送することはできるのかを最後に検討する。