The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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シンポジウム3
教科としての「保健」のさらなる改善に向けて~注目される課題と提案~

座長:野津 有司(筑波大学)、岩田 英樹(金沢大学)

[SY3-3] 保健の『技能』における他教科での取扱いから見た課題

岩田 英樹 (金沢大学)

Keywords:技能、系統性、他教科における技能

 平成29年、30年改訂の学習指導要領では、全ての教科において「技能」が「育成すべき資質・能力」の一つに位置付けられた。しかし、保健においてはあまり本格的な議論になっていないように思われる。そもそも、学習指導要領の改訂時における方針転換であったためなのか、あるいは、保健はこれまでにも、生活指導としての役割が重視されたことで、教科としての存在意義が曖昧であった時代もあり、教科としての保健で「技能」を扱うことに対しては慎重な考え方があったためかも知れない。しかし、教育課程全体や各教科等の学びを通じて「何ができるようになるのか」が問われる中、保健で育成する資質・能力として「技能」を考えることは、教科としての保健のあり方を見つめ直す上で、極めて重要といえる。
ここでは、保健の「技能」に関わるこれからの課題について、他教科での「技能」の系統性などの捉え方や、指導と評価の実際等を参照することを通して浮かぶ主な問題として、次の5点を提起したい。すなわち、①保健での「技能」は動作スキルだけで、認知的技能は含めないのか。②「技能」は授業で指導し、評価できるもののみとするのか。③「知識」や「思考・判断・表現」との関わりの捉え方。④保健での「技能」の系統性をどう考えるのか。⑤食や安全など他教科での「技能」とも重複が予想される内容をどう考えるのか。