The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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課題別セッション1
子ども時代の運動 子どもが身体活動を積極的に実施できる環境づくり-アクティブ・チャイルド・プログラムの提案-

Sat. Nov 5, 2022 2:25 PM - 3:40 PM LIVE配信第1会場

コーディネーター:笠次 良爾(奈良教育大学)

[TS1] 子ども時代の運動 子どもが身体活動を積極的に実施できる環境づくり-アクティブ・チャイル
ド・プログラムの提案

笠次 良爾 (奈良教育大学)

キーワード:運動遊び アクティブ・チャイルド・プログラム 体力低下
はじめに─本セッションの企画意図
 本セッションはシンポジウム1の「子どもの体力・運動能力の現状と課題」を受け,子ども達が身体活動を自ら楽
しんで実施できる環境づくりを実際にどのように行うのが良いか,シンポジウム1のシンポジストをお務めになった
東京学芸大学の佐藤善人先生に,アクティブ・チャイルド・プログラム(以下ACP)の趣旨と概要を,実践例を踏
まえて紹介していただきます.
演者の紹介
 このセッションを担当されるのは,東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系 健康・スポーツ科学講座 体育科教育学分
野 教授の佐藤善人先生です.先生は体育科教育を専門とされていますが,日本スポーツ協会が開発し全国展開を進
めるACP の中心メンバーとして,プログラムの普及啓発活動のため全国各地を駆け回っておられます.
アクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)の趣旨
 ACPは,子ども達が楽しみながら積極的にからだを動かしたくなるような運動遊びのプログラムです.このプロ
グラムでは,子ども達が自然に多様な動きを経験し身につけることと,からだを動かすことを習慣化できるよう,非
常に多くの運動遊びや伝承遊びを遊びプログラムの具体例として子ども達に紹介します.ただしACPは単なる運動
遊び・伝承遊びの紹介ではなく,教員や指導者が子ども達に運動遊びを促す際に必要な観点,指導のコツ,ほめ方・
しかり方,アレンジの仕方や工夫,安全管理上の配慮事項についても押さえていることがこのプログラムの強みです.
以下にその要点を示し,本セッションでは実践例と合わせて紹介していただきます.
良い指導者としての観点
 良い指導者としての観点は以下の8つです.①多様な動きを経験させる,②一定の身体活動量と活動強度を確保す
る,③発育発達の個人差に配慮する,④次々にプログラムを展開する,⑤できるようになったことを認める,⑥いつ
も元気で楽しい雰囲気をつくる,⑦こころの発達や社会性の獲得にも配慮する,⑧異年齢交流を積極的に利用する,
以上です.
指導のコツ
 指導のコツは以下の6つです.①まずはからだを動かす,②環境を通じて動きを引き出す,③合い言葉やキーワー
ドの活用,④約束,⑤話し合い,⑥指導日誌の活用,以上です.
ほめ方・しかり方
 ほめ方・しかり方は,以下の5つです.①できるようになったことを認め,具体的にほめる,②いろいろな成長を
ほめる,③しかる場面は2つ,④しかる時はその場で具体的に,⑤しかられた子をフォローする役割の大切さ,以上
です.
アレンジの仕方や工夫
 アレンジの仕方や工夫は,以下の7つです.①遊び方に変化をもたせる,②多様な動きを引き出す,③運動量を調
節する,④異年齢集団で遊ぶ時,⑤アイデアグッズ活用,⑥固定遊具活用,⑦ゲームを通してスポーツの楽しさを経
験,以上です.