国際開発学会第35回全国大会・人間の安全保障学会第14回年次大会

講演情報

一般口頭発表

持続可能な経済発展と倫理的ジレンマ

2024年11月10日(日) 12:45 〜 14:45 F305 (富士見坂校舎 305)

座長: 澤田 康幸(東京大学)

コメンテーター: 澤田 康幸(東京大学), 吉田 綾(国立環境研究所)

14:15 〜 14:45

[2E208] 循環型支援がもたらす循環型インパクトに関する研究
−アンケート調査に基づいた支援の広がりに影響を与える要因の調査−

*島村 雅彦1、柏崎 梢2、小野 道子1、須田 悠基1、松丸 亮1 (1. 東洋大学、2. 関東学院大学)

キーワード:小規模人道支援、循環型社会

アジアをはじめとした開発途上地域では、基本的なインフラが不足し無電化地域も依然として多い。このような地域に光を届けることは、子供達の生活の質や学習環境の向上に貢献すると考えられる。インフラ整備には費用と時間がかかることから、低予算で効果的かつ長期的に実施可能とする〈循環型支援モデル〉を確立することが望ましい。ランドポート社が自社で販売する「ソーラーランタン」で実施しているBuy One Give One®️と呼ばれる物資支援は、「購買者が製品を1つ購入すると、同一製品が1つ支援対象地域に送られる」形で実施されており、製品販売の利益を支援原資とするため、支援の継続性を保ちやすい一方、どのような購買層をいかに動機づければ支援の輪が広がるかが不透明なことにある。そこで、本研究では、ランドポート社が「ソーラーランタン」の購入者150名を対象に実施したアンケート調査結果を分析することで、支援の輪が広まる要因を明らかにすることを試みた。アンケートは、「製品に関する満足度」、「ブランドに対する親しみ」など製品に関する項目と「支援を他の人に勧める」「活動に関するコンセプトの重要度」など社会貢献に関する15の項目から構成されていた。本研究では支援の輪の広がりを見ることから、「支援を他の人に勧める」を目的変数、「製品に関する満足度」、「活動に関するコンセプトの重要度」、「ブランドに対する親しみ」といった項目を説明変数として回帰分析を行った。さらに、最も関連性がある項目に関しては、クロス集計にてその項目を構成している要因を調べた。その結果、「支援を他の人に勧める」と関連性がある項目は「ブランドに対する親しみ」であった。さらに、「ブランドに対する親しみ」を構成する要因に関して製品面と社会貢献面またはその両方からクロス集計にて調べた結果、製品と社会貢献の両面の魅力が「ブランドに対する親しみ」の背景にあることがわかった。

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