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[JCAA-10] SYNTAX時代におけるAorta no-touch Off-pump CABG―All Full Skeletonized In-situ Arterial Graftsの有用性―
キーワード:OPCAB, MACCE
【背景】冠動脈外科は,薬剤溶出性ステントの導入により,いわゆるSyntax時代へと突入した。3枝病変のみならず,左主幹部病変に対してもPCIが進出する現在,CABGを含めた冠血行再建術のあり方が問われている。当施設では,All Full Skeletonized In-situ Arterial GraftsによるAorta No-touch Off-pump CABG(OPCAB)を基本方針とし完全血行再建を目指している。今回,本方針の遠隔成績を示すと共に,PCIによる術後再血行再建率,心血管イベントの予防効果に関し検証した。【方法】対象は2006年1月から2013年12月に施行したAorta no-touch OPCAB連続300例。これらにおける遠隔期成績に関しSyntax trial data(ST)との比較検討を行った。Major Adverse Cardiovascular Events(MACCE)は,全死亡,脳血管障害,心筋梗塞,再血行再建と定義した。【結果】平均年齢は70.4±8.9歳。急性期死亡は1例(0.33%)。MACCE率は術後1年時3.9%,3年時14.2%であり,STにおけるPCI群,CABG群と比較すると有意に良好な成績であった(p<0.001)。再血行再建建率に関し,術後1年時3.1%,3年時10.5%とSTにおけるPCI群より有意に良好な成績(p<0.001)であったが,CABG群の3年時10.7%と比較するとほぼ同等の成績であった。しかしながら,心筋梗塞発生率に関しては,1年時0.4%,3年時1.5%とSTにおける両群より有意に良好な成績であった(p<0.01)。【結語】本方針における遠隔成績はSTと比較し有意に良好である。本対象における再血行再建率はほぼ新規病変に対するPCIであり,国内における積極的なPCIの影響が示唆される。本術式および厳密なフォローアップにより心筋梗塞予防率は非常に良好な成績となると考えられる。