09:00 〜 10:40
[JCAA-8] 脈管新生血管径の画像評価
キーワード:PAD, radioisotope
【背景】末梢動脈疾患(PAD)のうち特に治療抵抗性の膝下及び足部の血管が途絶した患者への血行再建時の重要点の一つは,定量的血流評価法の確立である。特に炎症や潰瘍を伴った創部での血流評価は周辺での検査のみに頼る難点があり限界点である。更に血管新生療法による新生血管径の評価を臨床で比較した検討はない。【目的】PAD患者へ自己骨髄移植血管再生治療を行い,創部を含めた局所での新生血管の血管径評価を試みた。【方法】対象は他の治療法が無効なPAD患者46例(平均年齢60±18才)。患者腸骨より自己骨髄を採取(総細胞数2.6-6.5×109細胞)。骨髄単核球細胞と血小板層を分離後,虚血患肢に直接注入した。治療前後で99mTc-tetrofosmin perfusionシンチ,99mTc-marcoaggregated albumin perfusionシンチで評価を行った。【結果】治療前及び治療後4週間後において,疼痛スケール(visual analog scale:VAS),経皮酸素分圧(TcPO2)はABIを除き有意に改善した。99mTc-tetrofosmin perfusionシンチ(99mTc-TF)による組織血流(0.6 ± 0.2 to 0.8 ± 0.3 count比/pixel,p<0.01),99mTc-marcoaggregated albumin perfusionシンチも有意に改善を認めた(5.2 ± 3.6 to 10.3 ±7.2 count比/pixel,p<0.05)。粒度分析計でのアルブミン粒子径は平均25.8μmであり,99mTc-TFに比べ炎症の影響を受けにくく動脈血管床を反映した。この値は,骨髄単核球細胞投与部位に限局しており,再生治療による血流改善に寄与していることを確認した。【総括】再生医療を含めた脈管新生は,核医学検査を駆使することにより証明可能である。