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[JCSY-4-2] 心房細動合併PCI症例における血栓症マネジメント
近年少なからず経験するのが、高齢化が進む現代において、冠動脈疾患と心房細動(AF)を合併した症例である。REACH Registry(Am Heart J 2008;156:855-863)では、冠動脈疾患患者の12.5%がAFを合併し、非AF症例に比し心血管イベントが高率であることが報告されている。冠動脈疾患症例ではステント治療、特に薬物溶出性ステント植え込み術が行われるが、AF患者ではDAPT(dual anti-platelet therapy)+抗凝固療法の3剤併用となることが出血のリスクを高める。抗血小板療法と抗凝固療法の併用療法の在り方については、循環器専門医の間でもいまだコンセンサスは得られていないのが現状である。ESCガイドライン2010(Eur Heart J 2010;31;2369-2429)では、ステント治療1年以降はワリファリン単独療法が推奨されているものの、現行医療ではまだ試行錯誤の状態が続いている。このような治療に悩む症例を提示し問題点を明らかにするとともに、今後の方向性について議論するとともに、進行中の臨床研究について紹介したいと思う。