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[O-12-1] 脈波伝搬速度(PWV)測定装置と自動血圧計による上腕足関節血圧比(ABI)測定値の比較検討
Keywords:ABI, chronic arterial obliteration
【背景と目的】慢性動脈閉塞症のスクリーニングに上腕足関節動脈血圧比(Ancle-Brachial Pressure Index; ABI)が有効であるが,診療現場ではドップラー血流計あるいは脈波伝搬速度(PWV)測定器などを利用して測定されるのが一般的である。近年診療現場には自動血圧計が普及しておりドップラー血流計がなくともABI測定は可能である。しかし,その測定値の精度については十分に検討されていないと考えられる。当研究はPWV測定器を用いて自動血圧計によるABIの精度を比較検討することを目的とした。【方法】オムロン・コーリン社製自動血圧計と同社自動血圧計を用いて両上下肢の血圧を測定し,ABIを測定した。有職者ボランティアを23名募り,背景として,年齢,性別,基礎疾患,PWV値,脈拍数,ABIとPWVの基礎知識をアンケート調査した。【成績】男性19名女性4名,平均年齢42±12歳,高血圧症は3例で治療中1例を含んでいた。高脂血症は6例であった。PWV装置は22例中5例で既知であり,ABIは22例中8例で理解していた。自動血圧計による上腕血圧は右127±9,左129±10であった。脈拍数は77±16回/分,PWV値は右1286±223,左1287±219であった。自動血圧計ABI値は右1.14±0.085,左1.12±0.094であり,PWV測定装置によるABIは右1.08±0.063,左1.06±0.084であり,ほぼ相関した。【結論】ASOのスクリーニングとしてのABIは自動血圧計でも可能であると考えられ,今後臨床現場でも普及しPWV検査の実施判断に有用と考えられた。