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[O-12-3] 閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者における血管内皮機能評価(RH-PAT法による検討)
Keywords:RH-PAT, OSAS
動脈硬化の進展や心血管イベントの発生を予測する上で血管内皮機能を評価することは非常に有用である。近年flow-mediated vasodilatation(FMD)法が血管内皮機能の検査法として提唱され普及しつつあるが,検査手法に熟練性を要し実施者による再現性の低さという弱点がある。そこで最近では,より操作が簡便で容易なreactive hyperemia-peripheral arterial tonometry(RH-PAT)法が注目され始めている。この方法は特殊な指尖プローブを使用し上腕反応性充血を指尖で測定する手法で,その検査値(RHI)はFMD法の結果とも良好な相関を示すことが明らかとなっている。一方,動脈硬化および心血管疾患のリスクとして閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が近年注目されている。OSAS患者における血管内皮機能評価の多くがFMDによるものでRH-PATにて検討した報告は少ない。今回我々はOSAS患者においてCPAP治療前後でRH-PAT法を施行しOSAS患者の血管内皮機能を検討した。当院睡眠医療センターを受診したOSAS患者のうち検査の同意を得られた8例(男8例,52±13歳,BMI:25.7±5.5,AHI:33±16回/時)を対象にCPAP治療前および治療6ヶ月後にRH-PAT法(EndoPAT2000)を行い比較検討した。その結果OSAS患者ではCPAP治療前RHI;1.696±0.324が治療6ヶ月後にはRHI;2.073±0.255と改善傾向を示した(p=0.11)。OSAS患者では血管内皮機能の低下がみられ,それがCPAP治療により改善する可能性が示唆された。