第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

静脈その他

2014年10月30日(木) 15:46 〜 16:26 第5会場 (201会議室)

座長: 小櫃由樹生(国際医療福祉大学三田病院 心臓血管センター 血管外科)

15:46 〜 16:26

[O-15-2] 下腿限局型深部静脈血栓症における血栓の経時的変化に関する検討

根本卓, 細井温, 池添亨, 布川雅雄, 窪田博 (杏林大学医学部附属病院 心臓血管外科)

キーワード:nemotti1, nemotti1

【背景】下腿限局型深部静脈血栓症(isolated calf vein thrombosis; ICVT)は,超音波検査にて発見頻度は高いものの,その治療法は議論の分かれるところである。そのため,中枢型に比較して長期間フォローがされることが少なく,その経時的変化に関しては不明な点が多い。【目的】ICVTの血栓の経時的変化とその背景因子に関して検討した。【方法】2012年6月から2013年5月までに当院で発見されたICVTの患者335例のうち,1年以上超音波検査にて経過観察し得た81例115肢を対象とした。原則として3ヶ月毎に検査を施行し,血栓の形態変化を検討した。【結果】女性67例(83%),平均年齢71.3歳,両下肢発症例は34例。D-dimerは平均3.23μg/ml。ICVTの血栓の局在は,ヒラメ筋静脈105肢(91%),腓骨静脈19肢(17%),後脛骨静脈6肢(5%),腓腹静脈5肢(4%)であった。ワーファリンによる抗凝固療法を施行された割合は,69例(85%)。観察期間中における血栓の形態変化に関しては,残存39例(48%),消失26例(32%),再発14例(17%),中枢側伸展2例(3%)であった。【結語】血栓の局在としてはヒラメ筋静脈が大部分を占めた。ICVTの経過観察中には,ある程度の頻度で残存,再発が認められ,注意深い経過観察が必要であると考えられた。