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[O-16-7] 孤立性ひらめ筋内静脈血栓の抗凝固療法による血栓変化と右心負荷
キーワード:soleal vein thrombosis, right heart overload
【目的】孤立性ひらめ筋内静脈血栓では,一部が反復性再発して近位進展や肺塞栓を続発する。遠位型において,抗凝固療法による筋内型と下腿型の血栓変化と右心負荷を比較した。【方法】対象は遠位型45症例。静脈血栓は静脈エコー,右心負荷は心エコー,肺塞栓は造影CTで診断。抗凝固療法は,フォンダパリヌクスで導入,ワルファリンを3か月以上継続。経過観察は,3か月毎に再発を監視。【成績】1.診断:下腿型21例,筋内型24。筋内型は,片下肢13例,両下肢11。片下肢単発の分布は,中央静脈8例,内側静脈5。NYHAは,I 21例,II 11,III 11,IV 2。右室収縮期圧(RVSP)は,36.1±5.4mmHg,下腿型36.3±5.8,筋内型35.9±5.2で,重症度が,正常(30mmHg>)2例5%,右室負荷(30-39)24例67%,肺高血圧(40≦)10例28%。2.治療:抗凝固療法は,入院30例,外来15で導入。血栓変化は,下腿型では,改善65%(消失65,縮小0),不変0,増大35%,筋内型では,改善61%(消失39,縮小22),不変0,増大39%で,筋内型では消失が不良(p<0.05)。NYHAは,II以上は53%から24%に低下(p<0.01)。RVSPは,30.8±5.3mmHg(p<0.001)と低下し,下腿型では31.9±6.0(p<0.01),筋内型でも30.1±4.7(p<0.001)に低下。重症度は,右室負荷が61%(p<0.001),肺高血圧も3%(p<0.01)に減少し,筋内型で有意(p<0.01)。治療成績は,終了1例,継続33,中止11(26%)。再発は,下腿型0例,筋内型3例18%(同所再発2,異所再発1)。【結論】1.筋内型では,抗凝固療法による血栓変化は改善61%であった。2.右心負荷は,右室収縮期圧が低下し,重症度も改善した。3.抗凝固療法は,筋内型患者の右心負荷を改善する。