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[O-17-4] 大動脈瘤のシミュレーション研究における医工連携とその成果
キーワード:medical-engineering collaboration, aortic aneurysm
【はじめに】大動脈瘤の形成,破裂にいたるプロセスは多くの因子が関与している。しかし瘤の手術適応が主に,径や拡張速度,嚢状形状などの因子で決められていることからもわかるように,力学的因子の関与は大きいと考えられている。またステントグラフト治療の広がりとともに,剛性の違う大動脈とデバイスとの相互作用の検証にも工学的検討が必要と考えられた。【方法】2012年より東京大学血管外科,東京大学生産技術研究所,芝浦工業大学の三施設で医工連携を行ってきた。(1)嚢状瘤とはなにか,2次元モデルの作成(2)ステントグラフト留置後の形態変化の構造解析(3)Y字管大動脈モデルの作成と,ステントグラフト/大動脈の相互作用の検討,の3点を主なテーマとした。工学的アプローチとしてのモデル作成,case specificな画像解析,また臨床的アプローチとして東京大学血管外科および心臓外科の症例から,腹部および胸部大動脈症例の画像データを抽出した。大動脈瘤シミュレーション研究会として年に約10回のミーティングを行ってきた。【結果】(1)嚢状瘤の定義として「大動脈壁から突出した仮想楕円が正円から横長になるもの」という結果が得られた。(2)屈曲した大動脈瘤に留置したステントグラフトの形状が徐々に変化していく過程が,curvature,torsionとも数値化,可視化して示すことができた。(3)現時点でZenith stent graftにおいてその剛性を算出し,留置する角度によって遠隔期にmigrationしていくシミュレーションができつつある。【まとめ】医工連携による臨床へのoutputに力を入れてきた本プロジェクトについて,上記のテーマを中心に紹介する。