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[O-20-1] 当科における下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術
Keywords:EVLA, complication
下肢静脈瘤に対する治療は,従来,ストリッピングなどが主であったが,近年血管内レーザー焼灼術(Endovenous laser ablation;EVLA)が保険収載され,普及してきている。当科でも2013年6月よりEVLAを開始したので,その成績につき検討・報告する。対象は2013年6月から2014年3月末までにEVLAを施行した44例,男女比は16:28,平均年齢62.1±10.8歳であった。EVLAの機器は波長980nmのELVeS®レーザーを用いた。治療部位は右22例,左20例,両側2例,手術は全身麻酔例の1例を除き43例でTLA(Tumescent local anesthesia)下に施行。焼灼静脈は大伏在静脈43例,小伏在静脈1例。静脈瘤はCEAP分類でC2or3が38例,C4が4例,C5が1例,C6が1例であった。焼灼静脈(大伏在静脈)の平均血管径は7.8±2.2mm,術中TLAにおける使用量は平均253.4±97.5ml,平均手術時間は78.3±34.5分であった。術後合併症では,疼痛を全例で認めたが,消炎鎮痛剤投与で対処しえた。皮下出血は40例で認められたが,自然軽快した。EHIT(Endovenous heat-induced thrombus)はclass1を3例,class2を1例に認め,class2に対してはワーファリン投与としたが,外来経過観察中に血栓は消失した。またclass3以上のものは認めなかった。皮膚熱傷例を認めず,外来経過観察中に焼灼静脈の再疎通も認めていない。手術時間のばらつきは,EVLA導入直後は不慣れで,静脈穿刺に時間を要した症例が存在したためと考えている。皮膚熱傷例がないことに関しては,皮膚表面から焼灼静脈までの距離を最低1.5cm確保するようにTLAを注入しているためと考えられる。当科のEVLA症例は,症例数が少ないが,現時点で再疎通例を認めず,満足すべき結果であると考えている。