第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

下肢静脈瘤2

2014年10月31日(金) 13:00 〜 13:48 第3会場 (202会議室)

座長: 坂田雅宏(坂田血管外科クリニック), 菅野範英(公益財団法人東京都保健医療公社大久保病院 外科)

13:00 〜 13:48

[O-20-2] 下肢静脈瘤に対するEndovenous Laser Ablation: 1470nm Radial 2-ring FiberはEndovenous Heat-induced Thrombusを減少可能か

保坂純郎1,2, 小野澤志郎1,2, 大森裕也3, 山内仁紫3,4 (1.医療法人社団IMA 四谷・血管クリニック, 2.日本医科大学付属病院放射線科, 3.日本医科大学付属病院心臓血管外科, 4.原田循環器・内科クリニック)

キーワード:varicose vein, endovenous laser ablation

【目的】2014年5月から新たに保険収載された1470nm Radial 2-ring Fiberを用いた下肢静脈瘤に対するEndovenous Laser Ablation(EVLA)は,最も重大な合併症であるEndovenous Heat-induced Thrombus(EHIT)を減少可能か検討する。【対象】対象は2014年5月に同法が保険収載されてから当院にて大伏在静脈にEVLAが施行された一次性静脈瘤患者。【方法】下腿上部より穿刺法にてapproach. Catheter挿入後0.1% LidocaineによるTLA麻酔を全長に施行。EVLAは,Sapheno-femoral junctionの末梢1~2cmから. 出力9W. 照射開始時には数秒間静止し照射,その後,用手的にfiberを牽引し照射した。術者は3500例以上のEVLA施行経験を有するレーザー焼灼術指導医. 超音波検査にて経過観察した。【結果】患者は14名19肢,40~83才(平均61.5才),男女比6:8,C分類3~4(平均3.3)。LEED平均69.4 J/cm. 1週間以内の経過観察でEHITは3肢に見られた(15.8%)。内訳はGrade 1が2肢,Grade 2が1肢。Grade 2のEHITは超音波検査中にその一部が分断遊離した。胸痛等の症状は無かったがワーファリンを1週間投与,1週間後の検査でGrade 1であった。【結論】1470nm Radial 2-ring FiberによるEVLAであってもEHIT発生率の著明な減少は得られないことが示唆される。いずれの機器を用いるにせよ十分な経過観察が必要である。