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[O-21-2] 下肢静脈瘤術後の伏在静脈断端血栓についての検討
Keywords:Saphenous vein stump, thrombosis
当科にて手術を施行した下肢静脈瘤12例,22肢について,伏在静脈断端の血栓の有無とその程度について検討を行った。症例は,男性2例,女性10例,大伏在静脈不全17肢,小伏在静脈不全5肢で,大伏在静脈不全症例に対しては,大伏在静脈ストリッピング術を,小伏在静脈不全症例に対しては,高位結紮術を施行した後,それぞれ,術後6日,4週,16週に,カラードップラーエコーを用いて,断端長,および断端内腔の血栓について計測,観察を行い,血栓は,EHITの分類に準じて評価を行った。断端長は,大伏在静脈が1.19±0.23cm,小伏在静脈が2.81±0.92cmであった。断端血栓の評価では,術後6日では,血栓なしが4肢,class1が16肢で,class2を1肢,class3を1肢に認めた。Class3の症例に対しては,抗凝固療法を3ヶ月間施行した。Class1,class2の症例に対しては,抗凝固療法は行わなかった。術後4週では,前回class2,3であった2例は,それぞれ血栓の縮小を認め,class1,2となっており,16週では,全例class1以下となっていた。血栓の増大,伸長を認めた症例はなかった。経過中,肺塞栓症を疑わせる症状を呈した症例は認めず,断端血栓がclass3であった1例でも,CT上,肺塞栓症の合併を認めなかった。下肢静脈瘤術後においても,伏在静脈断端に,EHITと同様の血栓が生じていることが示された。肺塞栓症の発症を疑わせる症例はなかったが,class3相当の断端血栓を1例に認め,術後の経過観察についていかにすべきか,今後症例の蓄積が必要と考えられた。