第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

下肢静脈瘤3

Fri. Oct 31, 2014 1:48 PM - 2:36 PM 第3会場 (202会議室)

座長: 廣川雅之(お茶の水血管外科クリニック), 三井秀也(特定医療法人三栄会 ツカザキ病院 心臓血管外科)

1:48 PM - 2:36 PM

[O-21-1] 下肢静脈瘤手術に対する術後感染予防のための抗菌薬の効果

地引政利1,2, 野口典男3, 山崎繁3 (1.国際医療福祉大学 塩谷病院 血管外科, 2.太田西ノ内病院末梢血管外科, 3.太田西ノ内病院外科)

Keywords:varix, surgical site infection

【はじめに】下肢静脈瘤治療(血管内静脈レーザー焼灼術;EVLA,静脈抜去術;ST)における手術部位感染(SSI)を評価した。【対象と方法】太田西ノ内病院末梢血管外科(2012年1月-2014年4月)で行われた下肢静脈瘤手術75例(A)と国際医療福祉大学塩谷病院血管外科(2013年10月-2014年6月)で行われた下肢静脈瘤手術46例(B)を対象とした。Aでは,日帰り手術を原則とし,患者の希望で1泊2日とし,抗菌薬投与は術後3日間内服とした。Bでは,1泊2日を原則とし,抗菌薬投与は執刀前30分にセファゾリンナトリウム(CEZ)1.0gを点滴のみとした。両者,糖尿病がある場合には,HbA1c 7.5以下での待機手術を原則にした。また,ST,EVLAいずれも,プロポフォールによる静脈麻酔+膨潤麻酔とし,希望者とキシロカインアレルギーのある場合に全身麻酔で手術を施行した。【結果】A,Bで男女,平均年齢は29:46(64 ± 10歳);16:30(67 ± 11歳),術式はST,EVLA(75,0)例;(27,19)例,平均手術時間57;49分だった。Aで手術創感染(切開部表層)鼠径部創部の軽度発赤を3例認めたが,保存的に軽快した。Bでは認めなかった。【考察】鼠径部由来の感染が最も考えられた。また,本研究では,SSIは手術時間に依存していなかった。また,SSIの観点からは,鼠径部の創部がないEVLAはよいと言える。【結語】下肢静脈瘤治療は清潔手術であるが,予防的抗菌薬点滴投与すること,鼠径部の操作に注意することがSSIに効果があることが示唆された。