第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

下肢静脈瘤4

Fri. Oct 31, 2014 2:36 PM - 3:16 PM 第3会場 (202会議室)

座長: 田淵篤(川崎医科大学 心臓血管外科)

2:36 PM - 3:16 PM

[O-22-1] 若年者下肢静脈瘤の検討

小田斉 (おだクリニック日帰り手術外科)

Keywords:young patients, varicose veins

2007年10月より2014年5月までに当院で治療を行った30歳以下の下肢静脈瘤は57例68肢(男性20例,女性37例,19~30歳)であった。同時期の31歳以上の自験例3245症例(男女比1:3.5)に比し男性比率がやや高かった。美容上の見た目や軽度のむくみを訴える軽症例が多かったが,色素沈着や潰瘍形成など重症例もあり,静脈瘤分類C1:8肢(11.8%),C2:26肢(38.2%),C3:30肢(44.1%),C4a:2肢(2.9%),C5:1肢(1.5%),C6:1肢(1.5%)であった。20例(35.1%)に家族歴を認め,19例(33.3%)は美容師や飲食業など長時間の立ち仕事に従事していたが,24例(42.1%)は発症原因が不明であった。10歳代に発症した10例(17.5%)のうち家族歴を認めたのは1例のみであった。クモの巣状・網目状静脈瘤6肢(8.8%)と側枝型静脈瘤2肢(2.9%)に硬化療法を行い,伏在型静脈瘤59肢(86.8%)に対しては血管内レーザー焼灼術(EVLA)を42肢,選択的ストリッピング術を14肢,硬化療法を3肢に施行した。EVLAと選択的ストリッピングはプロポフォール+局所膨潤麻酔下での日帰り手術で,平均手術時間は22.8±13.7分であった,大伏在静脈分岐部に逆流を認めた51肢中5肢に副伏在静脈の逆流が合併しており,硬化療法や瘤切除を追加した。Klippel-Trénaunay症候群1肢(1.5%)に硬化療法を6回施行し,弾性ストッキング着用を継続して患肢腫脹はやや軽減した。中高年者の下肢静脈瘤に比し,若年者の下肢静脈瘤では,1.男性例が比較的多い,2.副伏在静脈の逆流合併が多い,3.10歳代発症ではむしろ家族歴が少なく発症原因が不明,などの特徴があった。下肢静脈瘤は進行性の疾患であり,有症状の若年者伏在型静脈瘤に対してはEVLAなど積極的な外科治療が必要と思われた。