第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

下肢静脈瘤4

2014年10月31日(金) 14:36 〜 15:16 第3会場 (202会議室)

座長: 田淵篤(川崎医科大学 心臓血管外科)

14:36 〜 15:16

[O-22-4] 大伏在静脈高位結紮術後再発例に対する静脈瘤手術

清水剛 (長野松代総合病院 心臓血管外科)

キーワード:high ligation, recurrent varicose veins

【目的】大伏在静脈(GSV)不全型の下肢静脈瘤に対する高位結紮術は再発が多く,近年では行われることは少なったが,一方で,再発例に対する再手術を行う機会は少なくない。本院で経験した再発例に対して,その病態および術式を検討した。【方法】対象は2012年7月から2014年6月までの2年間の間に施行した,下肢静脈瘤手術175例,200肢中,過去にGSV高位結紮術を受けて再発した21例(平均年齢64±8歳,男:女=5:16)例,27肢を対象とした。CEAP≧4は8肢,初回手術は5~33年(平均14年±6年)前に行われており,本院他科で行われていたものは16肢,他院で行われたもの13肢であった。高位結紮術の大半はSFJより数cm末梢のGSVの単純結紮と推定され,7肢に膝上のGSVの結紮が加えられ,症例により静脈瘤の硬化療法や瘤切除が施行されていた。主に下肢静脈エコーと単純(または造影)CT検査で再発原因を検索した後,手術を行った。【結果】検査所見は,高位結紮部が再疎通していたものが14肢,血管新生による副側血行路が発達していたもの13肢,副伏在静脈の逆流が関与していたもの6肢,大腿部(Dodd)穿通枝不全が1肢,Giacomini静脈不全1肢認められた。手術は,再疎通症例14肢に対してはEndovenous laser treatment(EVLT),あるいはEVLT導入前は通常のストリッピングを行った。結紮例でGSV根部の逆流を認めた12肢では,流入分枝結紮を含めた高位再結紮と離断を加えた。【結語】高位結紮術後の再発には種々の要因が関与しており,病態に応じた術式を選択すべきと考えられた。