動脈瘤1

[O-23-2] 腹部内臓動脈瘤に対する金属コイルを用いた経カテーテル的塞栓術の検討

^〇池田理, 田村吉高, 井上聖二郎, 中曽根豊, 山下康行 (熊本大学 医学部附属病院 画像診断・治療科)

キーワード：visceral artery aneurysms, transcatheter coil embolization

【目的】腹部内蔵動脈瘤(VAA)64例に対する金属コイルを用いた経カテーテル的塞栓術(TAE)を経験したので，手技および合併症について報告する。【対象と方法】対象はVAAに対してTAEを施行した82例(破裂例3例)である。VAAの局在は脾動脈瘤(SAA)28例，腎動脈(RAA)19例，膵十二指腸アーケード(PDAA)18例，肝動脈8例，腹腔動脈7例，胃十二指腸動脈1例，上腸間膜動脈1例である。治療方法は1)動脈瘤頚部が動脈瘤の最大横径の1/2以下の場合：Packing，2)1/2以上の場合：isolation，臓器梗塞が予想される場合：ステントまたはバルーンアシスト法を用いた。【結果】手技的成功率は81/82例(99％)であった。治療方法はPackingのみ28例，ステントアシストpacking8例，バルーンアシストpacking 2例，およびisolation44例であった。経過観察中，SAAとRAAをpackingした2例でcoil compactionを認め，再TAEを行ったが，その他の症例では動脈瘤の増大や再疎通など認めていない。合併症はSAA5例，RAA7例で梗塞認めたが保存的治療で軽快した。ステントアシストpackingを施行したRAAの1例は血栓閉塞が出現し，血栓溶解および再ステント挿入を行った。PDAAで横行膵動脈をisolationした1例は急性膵炎を生じたが，内科的治療を行った。【結語】VAAに対するTAEは安全で，有用な治療法と考えられる。ワイドネック動脈瘤もステントアシスト，バルーンアシストなどの方法を併用することで治療可能と考えられる。