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[O-24-3] コイル塞栓術を施行した脾動脈瘤4症例の検討
キーワード:splenic artery aneurysm, endovascular treatment
2014年1月1日~5月31日の期間に当院で施行された,4例5病変の脾動脈瘤に対するコイル塞栓術について検討した。平均年齢は64.8(46~75)歳で男女2例ずつであった。全例が無症状で,他疾患の精査のためのCTで偶然発見された。瘤が2つ見つかった症例は基礎疾患として肝硬変に伴う門脈圧亢進症を有していた。また,他の2例は右側大動脈弓を合併していた。瘤の形態は全て嚢状で,平均最大径は18.6mm(12~23mm)だった。瘤の部位は近位部が1病変,中間部が2病変,遠位部が2病変だった。塞栓に要したコイルの数は平均9.6個(7~14個),入院期間は平均5.5日(4~9日)だった。全症例において周術期合併症を認めなかった。脾動脈瘤は比較的稀な疾患であるが,近年の画像診断技術の進歩に伴い,無症候性の脾動脈瘤が発見されるようになってきている。腹腔内の動脈瘤としては最も頻度が高く,破裂した際は致死的となるため,適切な治療介入が必要であるが,その適応や治療方法には議論が多い。脾動脈瘤の原因として血管の形成異常,門脈圧亢進,炎症,妊娠,動脈硬化等が指摘されているが,右側大動脈弓と脾動脈瘤が合併した症例は検索しうる限りでは報告が無く,関連は不明だが稀な2例だったと考えられる。より低侵襲なコイル塞栓術が選択される例が増えてきており,本疾患について文献的考察を加えて報告する。