第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

動脈瘤3

2014年10月31日(金) 10:20 〜 11:00 第4会場 (203会議室)

座長: 向原伸彦(姫路循環器病センター 心臓血管外科)

10:20 〜 11:00

[O-25-2] 膝窩動脈瘤5例の検討

寒川顕治, 神野禎次 (松山市民病院 心臓血管外科)

キーワード:popliteal artery aneurysm, acute ischemia

当科で2009年2月からの5年間に5例の膝窩動脈瘤を経験した。症例1は86歳女性。径26mmの左膝窩動脈瘤の急性閉塞に対し緊急で大腿-膝下膝窩動脈バイパス(ePTFE),瘤空置術を行った。症例2は86歳女性。径23mmの左膝窩動脈瘤の急性閉塞で紹介。足関節のドップラーは聴取し,造影CTで下腿のrun offが不明のためヘパリンとウロキナーゼを投与し,7日後にrun offを確認後,大腿-膝下膝窩動脈バイパス(ePTFE),瘤空置術を行った。症例3は74歳男性。対側の膝窩動脈瘤急性閉塞に対し他院でバイパス術の既往あり。壁在血栓を伴う径21mmの左膝窩動脈瘤に対し大伏在静脈を用いて浅大腿-膝下膝窩動脈バイパス,瘤空置術を行った。症例4は72歳男性で維持透析中。バクテロイデスによる感染性右膝窩動脈瘤破裂に対し膿瘍ドレナージ,膝窩動脈閉鎖術施行。5か月後伏在静脈で浅大腿-膝下膝窩動脈バイパス術を行った。症例5は87歳女性。右膝窩動脈瘤破裂に対し血腫ドレナージ,膝窩動脈閉鎖術施行。5例のうち3例は対側にも膝窩動脈瘤を認めた。急性閉塞2例,破裂2例,感染1例で3例は緊急手術であった。肢切断はなく,現在までに2例が他病死したがバイパスは全て開存し,空置術後の瘤径拡大はない。