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[O-25-5] 医原性仮性動脈瘤に対するバルーン閉塞下瘤内トロンビン局注療法の有用性
キーワード:pseudoaneurysm, thrombin
医原性仮性動脈瘤はカテーテルを用いた診断・治療の代表的な合併症として知られており,抗凝固療法や大口径カテーテルの利用により増加傾向にある。その治療法としては外科的修復術,超音波下圧迫法に加えて,経皮的な仮性動脈瘤内へのトロンビン注入法が挙げられる。トロンビン注入法は超音波ガイド下に仮性動脈瘤内に経皮的に直接トロンビンを注入し瘤内を凝固止血させる方法である。その簡便性,確実性から有用性が報告されているが,トロンビンが血管内に流入すると末梢塞栓を発症する危険がある。今回,我々は3例の医原性大腿動脈仮性動脈瘤に対し,塞栓予防を目的に血管損傷部位のバルーン閉塞を併用し,超音波ガイド下に瘤内トロンビン注入法(percutaneous thrombin injection with balloon occlusion: PTIBO)を施行した。トロンビン注入後の仮性動脈瘤の血栓形成を経時的に追った興味深い超音波画像を含めバルーン閉塞下経皮的トロンビン注入法について報告する。