第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

PAD1

Fri. Oct 31, 2014 11:00 AM - 11:48 AM 第4会場 (203会議室)

座長: 脇田昇(独立行政法人労働者健康福祉機構 神戸労災病院 心臓血管外科), 布川雅雄(杏林大学医学部付属病院 心臓血管外科)

11:00 AM - 11:48 AM

[O-26-6] 当科における膝下病変への治療戦略―重症虚血肢に対する血行再建:bypass/EVT―

工藤敏文1, 山本洋平1, 中村政宏1, 葛井総太郎1, 西澤真人1, 小泉伸也1, 猪狩公宏1, 豊福崇浩1, 井上芳徳1, 内山英俊2 (1.東京医科歯科大学 血管外科, 2.土浦協同病院 心臓血管外科)

Keywords:EVT, bypass

【目的】当科におけるEVT導入前後の重症虚血肢に対する治療成績を検討した。【症例と結果】重症虚血肢に対する下腿血行再建術は2003年5月~2008年12月の前期群は全例バイパス術で72例74肢,2009年1月~2013年3月の後期群ではバイパス術が48例51肢,EVTが80例82肢であった。内訳は前期群では平均年齢は67.5歳で,男性64肢,女性10肢,後期群では平均年齢は68.5歳で,男性44肢,女性7肢であった。虚血重症度は前期群および後期群でRutherford分類4度が26肢(35.1%)対30肢(23.4%),5度が33肢(44.6%)対43肢(33.6%),6度が15肢(20.3%)対55肢(43.0%)と後期群で重症度が高かった。前期群および後期群での糖尿病症例は30肢(40.5%)対93肢(72.7%),透析例は23肢(31.1%)対75例(58.6%)で,後期群の方で有意に多かった。救肢率は前期群,後期群で2年で90.1%対82.9%,4年で85.8%対82.9%,生存率は2年で73.8%対71.8%,4年で60.5%対62.8%,Amputation-free survival(以下AFS)は2年で69.6%対58.4%,4年で55.4%対51.1%であり,有意差を認めなかった。透析症例ではAFSは1年で前期39%から後期64%と有意に改善していた。(P<0.05)【結語】EVT/bypassについて患者選択を適切に行うことにより,治療成績を向上させ得る可能性が示唆された。