第55回日本脈管学会総会

Presentation information

一般演題(口述)

PAD2

Fri. Oct 31, 2014 1:00 PM - 1:56 PM 第4会場 (203会議室)

座長: 渋谷卓(関西医科大学附属 枚方病院 血管外科(末梢血管治療科)), 杉本貴樹(兵庫県立淡路医療センター 心臓血管外科)

1:00 PM - 1:56 PM

[O-27-6] 当院における総大腿動脈領域に対するEndarterectomyの治療成績

田中潔, 久良木亮一, 三井信介 (製鉄記念八幡病院 血管外科)

Keywords:Endarterectomy, Patch angioplasty

【目的】閉塞性動脈硬化症(以下ASO)における総大腿動脈(以下CFA)領域の病変は外科手術が第一選択とされている。近年血管内治療成績の報告が散見されるが,満足のいく結果は報告されていない。CFA病変に対して当院で行ったEndarterectomyの治療成績を検討する。【対象と方法】1998/4から2013/12までにEndarterectomyを施行した37例39肢(男:女 26:11 平均年齢73.8±8.2歳)を対象とした。患者背景は全例ASO患者であり,Fontaine分類2:3:4は24:8:7肢であり,糖尿病24/37(64.9%),高血圧32/37(86.5%),虚血性心疾患16/37(43.2%),脳血管障害15/37(40.5%),透析8/37(21.6%)であった。再建はPatch angioplastyを34肢(自家静脈:人工血管29:5肢)に,5肢はDirect sutureを行った。CFA単独病変が18肢(47.4%),SFA・DFAとの連続病変が21肢(それぞれ14:7肢)であった。腸骨動脈EVT:7肢に,末梢動脈EVT:3肢,バイパス術:1肢を同時に行った。【結果】平均観察期間1214日(28-4792)。生存率,一次開存率,一次補助開存率,救肢率,AFSは1年・5年でそれぞれ86.8:69.8%,97,2:97.2%,100:100%,94.6:94.6%,84.2:64.2%であった。Direct sutureの1例に経過中再狭窄を認め,血管内治療を追加した。大切断は3肢で,2肢がFontaine4度で壊疽より感染の拡大を認め,1肢は透析症例で経過中に踵に創が出現,感染し大切断となった。術死・在院死を認めず,遠隔死亡は心臓関連死5例,肺炎2例を含め14例であった。【結論】Endarterectomyの長期成績は良好で有り,CFA領域において治療の第一選択である。