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[O-31-1] 頸動脈狭窄症治療患者における長期予後の検討
Keywords:carotid artery stenting, carotid endarterectomy
【目的】頸動脈狭窄症の侵襲的治療の長期予後を考察。【方法】2007年1月から14年4月の侵襲的治療件総数は67件。2009年までUS,以後MRI主体のプラーク性状診断と大規模臨床試験のCEAリスクを参考に術式決定。CAS34件(症候性19件),CEA33件(症候性20件)。症候性患者の発症から治療の期間は中間値74日。患者年齢は中間値72歳。上記CAS症例に頸動脈を露出してアクセスを作成したopen CAS4件(症候性)含む。CASは塞栓予防デバイスを使用。全症例に抗血小板剤2剤を可能な限り術前より使用。術後生存率,心筋梗塞,術後脳梗塞および死亡(MAE)と,術式,年齢(72歳以上),病歴(症候性),治療介在時期(発症74日未満の治療),病変性状(高リスクプラーク)の術後生存率への影響を解析。生存曲線作成と統計学的処理にPRIZM 6(Graphpad社)を使用。【結果】平均観察期間は1197日(5~2470±812日)。CAS後急性期脳虚血合併症(mRS<2)が2件発生。CEA後在院死亡1例(他側の転移性悪性腫瘍の脳出血),心室細動1例,高度の嗄声1件。上記の観察期間の全患者の生存率は76.9%。死亡症例はCEA後3例(悪性腫瘍2,脳出血1,肺炎1)。MAE(脳梗塞,脳出血,MI)非発生率では治療群間に有意の差を認めなかったが(CAS 97%: CEA 91%,p=0.32),CEA(Hazard Ratio= 7.0; p=0.029)と高リスクプラーク(Hazard Ratio= 24.2;p=0.0007)が予後不良因子だった。【結論】生存率に最も強く影響を与えた因子はプラークリスクとそれに基づく治療法のふりわけであった。患者の長期予後改善には,治療施行時のハイリスクプラークの背景因子の究明が重要である。