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[O-34-1] 大動脈瘤診療におけるVascular Team構築を目指して
Keywords:nms, 48
近年,血管疾患に対する治療手段の多様化により,複数科協力のもとVascular Teamとして診療にあたることが求められつつある。当院では2012年より心臓血管外科・循環器内科・放射線科・看護師が参加するカンファレンスにて治療方針を決定している。対象は2012年以降当院で治療を受けた腹部大動脈瘤(AAA)77例,胸部大動脈瘤(TAA)81例。うち緊急症例は各6例,29例であった。AAAの年次ごとのStentgraft治療(SG)数/総症例数は,5/28(18%),14/37(38%),5/12例(42%)でありSG比率は増加傾向にあった。Open Surgery(OS),SGにおける在院死亡率はそれぞれ1/53(1.9%),0/24(0%)であった。SGにおける腸管虚血,残存する殿筋跛行,治療対象となるtype2 endoleakの発症率はそれぞれ0/24(0%),1/24(4.2%),0/24(0%)であった。TAAの症例数はOS 56例,SG 19例,Hybrid 6例であった。在院死亡率は各5/56(8.9%),0/19(0%),0/6(0%),脳梗塞発生率は4/56(7.1%),2/19(11%),1/6(16.7%),脊髄障害発生率は1/56(1.8%),2/19(11%),1/6(16.7%)であった。当院の特徴として,SG治療に際しGraft conduitを作成した症例は6/19(32%)と高率で,血管損傷のため人工血管による修復を行った症例は1/19(5.3%)のみであった。大動脈瘤の症例検討として始まったカンファレンスであるが,現在では末梢血管領域の症例検討も行われており,多様な治療選択肢を熟考のうえ提供することに寄与していると思われる。