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[O-35-1] 当院におけるエクソシールの使用経験から見た安全性と有用性についての評価
Keywords:Hemostatic device, Complications
【背景】海外における穿刺部止血デバイスと用手による圧迫止血を比較したメタアナリシスの結果では,不具合等の発生率に有意な差を認めないものの,仮性動脈瘤や血腫,出血などが4.7~5.7%で発生していると言われているが,本邦において同様の事象について十分な調査はされていない。そこで当院における使用経験から得られた現状と若干の知見を加えて報告する。【方法】2013年2月から2014年5月末まで間に,経皮的冠動脈ステント留置術(PCI),四肢の血管拡張術・血栓除去術(PPI)を行った連続33例について,エクソシールの合併症の有無について調べ,安全性と有用性を検討した。【結果】患者背景は年齢72±9.2歳,男性18人,女性15人。PCIは10例,PPIは23例であった。これまでに,独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に留置不全,穿刺部血腫,止血不全(出血),血管損傷(穿孔,解離),仮性動脈瘤などのわずかな報告例があるが,当院においてこれらの合併症は0例であり,止血手技成功率は100%であった。しかし穿刺部の腫脹を2例認め,血管エコーにて炎症性と思われるリンパ節腫脹を確認した。経過観察にて穿刺部の腫脹は軽快した。【考察】今回,我々の使用経験からはエクソシールは安全性が高く,有用性の高い止血デバイスであると考えられた。しかし今回,報告例のないリンパ節腫脹を認めたことから,穿刺部の腫脹を認めた場合,血腫や仮性動脈瘤との鑑別等,注意深く血管エコーなどで観察するべきだと考えられた。【結語】エクソシールは安全で有用性の高い止血デバイスと考えられた。