第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

その他3

2014年10月31日(金) 14:28 〜 15:16 第5会場 (201会議室)

座長: 藤村博信(市立豊中病院 心臓血管外科), 曽我部仁史(社会医療法人真泉会 今治第一病院)

14:28 〜 15:16

[O-35-3] TEVAR後に下肢不全麻痺を認めた3症例に対するリハビリテーションの経験

東海林さとみ1, 徳重大輔1, 齋藤泰史2, 山下武廣2, 鈴木正人3, 野村文一3, 大川洋平3 (1.心臓血管センター北海道大野病院 リハビリテーション科, 2.心臓血管センター北海道大野病院 循環器科, 3.心臓血管センター北海道大野病院 心臓血管外科)

キーワード:TEVAR, Rehabilitation

【症例1】80歳,男性。解離性大動脈瘤に対し,TEVAR施行。術直後は両下肢運動可能であったが,術後12時間後に左下肢不全麻痺(MMT2)を認めた。感覚障害および膀胱直腸障害は認めなかった。術後1日目よりリハビリテーションを開始した。術後2日目より麻痺の改善を認め,術後4日目にはMMT5まで回復し,立位・歩行訓練を開始。術後11日目に独歩可能となった。術後14日目には階段昇降が可能となった。術後18日目に自宅退院した。【症例2】76歳,男性。胸部大動脈瘤に対してTEVAR施行。術直後には両下肢運動可能であったが,術後22時間後に左下肢不全麻痺(MMT1)を認めた。感覚障害および膀胱直腸障害を認めた。術後1日目よりリハビリテーションを開始。術後2日目には麻痺の改善を認め,術後3日目より歩行器使用による歩行を開始し,術後11日目には,杖歩行が可能となった。術後31日目に自宅退院した。【症例3】74歳,男性。胸部大動脈瘤破裂に対して緊急TEVAR施行。抜管後に両下肢不全対麻痺(右MMT1,左MMT2)を認めた。感覚障害および膀胱直腸障害を認めた。術後1日目よりリハビリテーションを開始した。術後2週経過した時点で,右下肢MMT2,左MMT4~5と左下肢で改善を認めたが,右下肢の改善はわずかであった。介助下での立位はなんとか可能となったが,実用性に乏しく,車いすレベルのADL獲得を目標に基本動作訓練,車いす移乗訓練を実施した。術後41日目にリハビリ目的で転院した。【結語】TEVAR後に下肢不全麻痺を認めた3例のリハビリテーションを経験した。若干の考察を加えて報告する。