第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

その他3

2014年10月31日(金) 14:28 〜 15:16 第5会場 (201会議室)

座長: 藤村博信(市立豊中病院 心臓血管外科), 曽我部仁史(社会医療法人真泉会 今治第一病院)

14:28 〜 15:16

[O-35-5] 限局性上腸管膜動脈解離の急性期治療と中期予後

河内秀臣, 前田英明, 服部努, 中村哲哉, 梅田有史, 飯田絢子, 石井雄介, 河野通成, 塩野元美 (日本大学附属板橋病院 血管外科)

キーワード:arteria mesenterica superior, dissection

限局性上腸間膜動脈解離(SMAD)は稀で,その疫学,予後は不明な点が多い。当科で経験したSMAD5例について,検討したので,報告する。【目的】2011年1月から2013年1月までに経験した。SMADについて,その診断,急性期合併症,中期成績について検討した。【結果】症例は48から56歳平均51歳で,全例男性であった。初発症状は全例突然の腹痛で,合併疾患は2例に心房細動,2例に高血圧を認めていた。診断はMDCT,MRAで,2例は閉塞例で緊急手術所見より,推察した。解離部位は期支部から中結腸動脈分岐部レベルであった。3例は保存的に経過を観察し,急性閉塞を呈した2例は緊急に血栓除去,血管形成術を行った。3例はイレウスを合併し,長期入院加療を要した。閉塞緊急手術例は術後6か月ワーファリン投与を,保存的加療群は血小板凝集抑制剤を投与し,初発から1-3年経過観察中で,2例は偽腔開存1例は偽腔血栓化し,3例とも真腔は偽腔により圧排され,狭小化を認めた。全例症状は消失し,社会復帰,予後は良好であった。【結語】限局性SMADは50代前後の壮年,男性に多く発症し,急性期に適切を選択すると,中期には病状は安定し,全例社会復帰可能であった。