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[O-6-2] 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術後のエンドリーク評価における造影超音波の有用性
Keywords:Contrast-enhanced Ultrasound, Endoleak
【背景】腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(EVAR)は開腹術よりも安全で低侵襲な治療法として近年増加しているが,合併症であるエンドリークは4人に1人存在しており,一般的に診断は造影CTが推奨されている。カラードプラの超音波検査は有効な検査法とされているが造影CTよりも検出感度が低いため,海外では造影超音波による評価が有用であるとする報告が多い。しかし,国内で唯一の超音波造影剤ソナゾイドを用いたエンドリーク評価の報告はない。【目的】EVAR後のエンドリークに関してカラードプラと造影超音波を造影CTで比較し,エンドリーク診断における造影超音波の有用性を前向きに検討した。【方法】2013年9月~2014年6月にEVAR後エンドリーク評価目的にてカラードプラと造影超音波を施行し,また同時期に造影CTも施行した30例(男性22例,女性8例,平均年齢79.6±8.9歳)を対象とした。使用機器は東芝メディカルAplio 500,3.5MHzコンベックスプローブを用いた。エンドリークの有無を評価しtype1~4に分類した。【結果】エンドリーク(+)はカラードプラで11例(type1:1例,2:9例,3:1例),造影超音波で13例(type1:1例,2:9例,3:2例,4:1例),造影CTで14例(type1:1例,2:9例,3:1例,4:1例,2or3:1例,2or4:1例)。エンドリークの有無はカラードプラで27例(感度79%,特異度100%),造影超音波で29例(感度93%,特異度100%)が造影CTと一致した。【結論】造影超音波はエンドリークの微細な血流も鮮明に描出し,カラードプラより感度がよく造影CTとほぼ同等の評価が可能であった。リアルタイムに検査ができ腎機能障害や被曝などに関係なく使用できるため造影超音波は有用な検査法であると考えられた。