第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

EVAR3

Thu. Oct 30, 2014 4:26 PM - 5:22 PM 第4会場 (203会議室)

座長: 西村元延(鳥取大学医学部 器官再生外科学), 井元清隆(横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター外科)

4:26 PM - 5:22 PM

[O-6-5] EVAR後のType II endoleakの抑制に関し,予防的IMAコイル塞栓術の有用性の検討

森なお子1, 小泉淳1, 志村信一郎2, 明神和紀1, 伊藤千尋1, 原拓也1, 関口達也1, 今井裕1 (1.東海大学 画像診断科, 2.東海大学 心臓血管外科)

Keywords:type II endoleak, IMA coil embolization

【目的】EVAR前の予防的IMAコイル塞栓術はType II endoleak(EL2)を減少させるという報告がある。IMAコイル塞栓術がEL2の抑制に寄与するか,また他の抑制因子に関し検討した。【方法】当施設では2008年8月から2013年6月までの間にEVARが施行された125例の腹部大動脈瘤患者のうち,IMA開存例において2010年後半頃よりIMAコイル塞栓術を積極的に試みている。IMA塞栓例,開存例を含め,造影CTにて経過観察がなされたacute-stage(術後2±1日)の114例,mid-stage(92±10日)の61例,chronic-stage(543±406日)の77例を後方視的に検討した。【結果】IMAはEVAR前に24例(21%)で閉塞していた。開存例のうち57例にIMAコイル塞栓術が試みられ,51例で成功した(成功率89%)。結果,acute-stageにおいてIMAは塞栓例も含めた閉塞群が75例,開存群が39例であった。EL2はIMA閉塞群 vs. 開存群においてacute,mid,chronic-stageでそれぞれ 21% vs. 26%,39% vs. 27%,31% vs. 28%で発生しており,いずれのstageでも両群に有意差は認めなかった。chronic-stageにおいてEL2との関連は腰動脈が最多であった(89%)。デバイスに関し,Endurantは多変量解析においてEL2の有意な抑制因子であった。【結論】EL2は腰動脈の関与も大きいため,IMAコイル塞栓術のみではその抑制効果は不十分である。