第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

EVAR3

Thu. Oct 30, 2014 4:26 PM - 5:22 PM 第4会場 (203会議室)

座長: 西村元延(鳥取大学医学部 器官再生外科学), 井元清隆(横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター外科)

4:26 PM - 5:22 PM

[O-6-4] ENDURANT留置前後における瘤内圧変化と予後についての検証

小川普久1, 西巻博2, 千葉清2, 桜井祐加2, 嵯峨根正展2, 八木橋国博1, 橋本一樹1, 村上健司1, 盧大潤2, 小野裕國2, 宮入剛2, 中島康雄1 (1.聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座, 2.聖マリアンナ医科大学 外科学講座(心臓血管外科))

Keywords:ENDURANT, sac pressure

【目的】ENDURANT留置前後における瘤内圧の減少率と術後エンドリーク(EL)の有無,瘤縮小率との関連について検証したので報告する。【対象と方法】2012年11月から2013年6月までに腹部大動脈瘤に対してEVAR(ENDURANT)を施行した9症例。対側レッグ留置側のシース経由で瘤内に0.014inch pressure wire(St.Jude Medical)を留置し,ENDURANT留置前後で瘤内収縮期圧(SSP)を測定した。橈骨動脈ラインの収縮期圧(SRP)を対象とし,留置直後の瘤内圧減少率SPI(SSP/SRP),EL有無(留置直後,1週間後,最終フォローCT時)と瘤縮小率について検証した。【結果】全症例,予定通りの手技を合併症なく完遂し得た。平均SPI 0.77,留置直後で全例にタイプ4ELがみられたが,タイプ1,2,3ELは認めなかった。1週間後の造影CTでELを認めたのは3例(33.3%)でいずれもタイプ2EL(IMA1例,腰動脈1例,IMA+腰動脈1例)であった。フォロー期間は平均230日(32-362日)で,最終フォローCTにてELを認めたのは2例(22.2%),いずれもタイプ2EL(腰動脈1例,IMA1例)であった。5mm以上の瘤径変化は拡大1例,変化なし7例,縮小1例で,拡大例に対して追加治療の予定である。【結語】過去の報告(Zenith,Excluder)に対し,ENDURANTによる瘤内圧減少率は高い傾向にあり,タイプ4ELによる影響と考えられた。一方で,タイプ2ELの発生率も諸家の報告と変わりなく,タイプ4ELとタイプ2ELとの関連性は見出せなかった。ただし少ない症例数での検討であり,今後もさらに症例を重ねて検証していきたい。