5:22 PM - 6:10 PM
[O-7-4] 健常人465人における下肢リンパ圧低下とQOLとの関連についての検討
Keywords:lymphatic pumping pressure, Quality of life
【目的】我々は下肢の集合リンパ管の自律的収縮によるリンパ駆出力(Plymph pump)を低侵襲で測定する方法を開発し,報告してきた。今回,一般健常人における下肢Plymph pumpとquality of life(QOL)との関連について検討した。【対象・方法】2009年9月から2013年9月間に,健常ボランティア465人(年齢30-85歳,男性78人,女性387人を対象とし,下肢Plymph pumpを測定するとともに,QOLを調査した。QOLはShort Form 36(SF36)を用いて評価した。Plymph pumpはICG蛍光リンパ管造影と透明加圧帯を用いて測定した。評価の方法として,1,各年代とPlymph pumpとの関係,2,健常者をPlymph pump値から“good”(両足40mmHg以上)“’moderate”(goodとpoorの中間),“poor”(両足20mmHg未満)の3群にわけて,SF36を用いてQOLへの影響について検討した。【結果】1,各年代における下肢リンパ圧は加齢とともに低下(Spearman r = -0.15 p=0.000798)していた。2,下肢Plymph pump値による3群間の比較では,SF36のアンケートにおいてPhysical Functioning(FH)とGeneral Health(GH)の両分野でPlymph pumpの“poor”群が有意に低い結果だった。また,“poor”群でむくみ症状を訴える人の割合が高かった。【考察】健常人においても,Plymph pumpが低いことがむくみの自覚の一因でありQOLの低下をもたらしている可能性が示唆された。