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[O-7-6] リンパ節郭清後のリンパ管内圧異常上昇と,浮腫発生の病態解明 ~ミクロ所見からみるリンパ浮腫病態解明~
Keywords:lymphedema, LVA
【Introduction】リンパ浮腫の発症メカニズムの解明,治療の確立,さらには予防法の開発のために,集合リンパ管や変化した皮膚の組織科学的検証が有用であると思われる。本研究の目的は,リンパ節郭清後の患者における集合リンパ管の経時的変化を明らかにすること,皮膚所見の変化を捉え病態を解明することである。【Methods】集合リンパ管37件(スライド総計114枚),リンパ漏・リンパ浮腫部の皮膚12件(スライド総計142枚)について検討を行った。集合リンパ管の採取に関しては,リンパ管静脈吻合術を行った際に,吻合に必要なくトリミングを行った集合リンパ管を使用して,集合リンパ管の組織科学的評価(免疫染色検査,電子顕微鏡検査)を行った。【Results】光学顕微鏡所見の所見より,集合リンパ管の組織化学的な変化を「normal type」「ectasis type」「contraction type」「sclerosis type」と定義した(NECST; Normal,Ectasis,Contraction,Sclerosis Type)。Normal typeではリンパ管内圧の上昇に伴ってリンパ管内皮細胞が平坦化し,Contraction typeでは平滑筋細胞が分泌型へ形質転換し,膠原線維の増加を促進する。さらにsclerosis typeでは繊維成分が大部分を占め,輸送能・濃縮能ともに喪失してしまい,リンパ管内腔は著しく狭小化するか,完全に閉塞する。【Conclusions】リンパ節郭清後の集合リンパ管では,リンパ管内圧の上昇にともない,リンパ浮腫が発症する前から組織学的な変化が現れている。リンパ節郭清後のリンパ系におけるダイナミックな変化を紹介し,リンパ管静脈吻合術の治療メカニズムも併せて紹介する。