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[O-8-1] 鈍的大動脈損傷に対してTEVARが有効であった4例
Keywords:Blunt aortic injury, TEVAR
【緒言】他に致死的多発外傷を伴わない鈍的大動脈損傷に対し,TEVARが有効であった4例を経験したので報告する。【症例1】49歳男性。交通事故,ISS17点。左鎖骨下動脈より20mm中枢の弓部大動脈小弯側に仮性瘤を認め,TEVAR(MK stent-graft)施行。手術時間83分,出血量120ml。ICU滞在期間2日。17日後に退院。術後42カ月,追加治療を要さず経過良好。【症例2】32歳男性。交通事故,ISS26点。遠位弓部小弯側に仮性瘤の形成を認めTEVAR(Gore-TAG)施行。外傷性くも膜下出血,脳挫傷あり,ヘパリン使用せず。手術時間86分,出血量50ml。ICU滞在期間14日。神経学的改善も得られリハビリテーション目的に転院。術後14カ月,大動脈イベント,重度の神経学的後遺症なく社会復帰。【症例3】55歳男性。就労中の事故,ISS5点。弓部~下行大動脈にかけ血栓閉鎖型大動脈解離,弓部大動脈小弯側にULPを認め,右腋窩-左総頚-左腋窩動脈バイパス術,TEVAR(cTAG),左鎖骨下動脈コイル塞栓術施行。手術時間225分,出血量50ml。ICU滞在期間4日。術後endoleak,migration認めず14日後に自宅退院。【症例4】17歳男性。交通外傷,ISS21点。左鎖骨下動脈直後に28mm大の仮性瘤を認め,TEVAR(cTAG),左総頚- 左腋窩動脈バイパス術,左鎖骨下動脈コイル塞栓術施行。手術時間207分,出血量80ml。上腕骨開放骨折の加療目的に3日後に転院。【結語】他に致死的多発外傷を伴わない鈍的大動脈損傷に対し緊急TEVARを施行し良好な結果を得た。