第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

血管内治療

2014年10月30日(木) 09:00 〜 10:04 第5会場 (201会議室)

座長: 飯田修(関西労災病院 循環器内科)

09:00 〜 10:04

[O-8-3] 鎖骨下仮性動脈瘤に対してcovered stent留置術を施行した2症例

山本瑛介, 佐藤紀, 出口順夫, 加賀谷英生, 北岡斎, 神谷千明, 橋本和憲 (埼玉医科大学総合医療センター 血管外科)

キーワード:subclavian artery aneurysm, covered stent

【はじめに】2例の鎖骨下動脈瘤に対してcovered stentを留置し良好な結果を得たので報告する。【症例1】50歳男性。血管ベーチェット病で当院膠原病内科に通院中,8年前両鎖骨下動脈瘤に対して人工血管置換術を施行し当科に通院中であった。夜間突然,右母指のしびれ感,右上肢の違和感が出現し救急要請した。当院内科当直を受診し,虚血症状ないため鎮痛薬処方され一度帰宅したが,症状改善しないため同日当科を受診した。右鎖骨下に胡桃大の拍動性腫瘤を触知するも感染兆候なし。右橈骨動脈拍動は良好であった。また造影CTにて右鎖骨下動脈人工血管遠位吻合部瘤を認めた。吻合部瘤により上肢神経が圧迫されたためにしびれが出現したものと考え当科に緊急入院となった。翌日上肢のしびれが増強し,腫瘤の拡大を認めたため緊急で血管内治療を施行する方針とした。Pull through法にて鎖骨下動脈にcovered stentを留置し退院となった。【症例2】68歳男性。前医で胃癌,肝転移に対し左鎖骨下動脈を直接穿刺し肝動注ポートを留置した。4か月後ポート部に疼痛と腫脹を認め,抗生剤加療行うも改善しないためポートを抜去した。さらに造影CTにて左鎖骨下動脈に仮性瘤を認めたため当科に紹介受診,緊急入院となった。左鎖骨下に鶏卵大の拍動性腫瘤を触知するも感染兆候なし。採血上でも感染兆候がないため,covered stentによる血管内治療を第一選択とした。pull through法にて左鎖骨下動脈にcovered stentを留置し翌日退院となった。【まとめ】今回我々は手術的アプローチが困難であると考えられた2例の鎖骨下仮性動脈瘤に対してcovered stentを留置した。長期成績は経過をみる必要があるが,良好な結果を得た。