第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

動脈瘤1

2014年10月30日(木) 15:20 〜 16:02 第6会場 (第1練習室)

座長: 小林昌義(藤田保健衛生大学医学部 心臓血管外科)

15:20 〜 16:02

[P-1-3] IVR治療後に腎機能改善を認めた腎広基性嚢状動脈瘤の1例

田中治, 三浦寛司, 寺山耕司, 一条祐輔, 浅井俊輔, 楠元正志, 林奈津子, 中路康介, 吉川達也, 竹内義人 (京都府立医科大学 放射線科)

キーワード:renal artery aneurysm, IVR

症例は60歳台,男性。心筋梗塞に対しPCIの既往がある。PCI後の経過観察目的で施行した冠動脈CTで3cmの左腎動脈瘤を指摘されたため,治療目的で当科紹介となった。入院時採血でeGFR=44 mL/分/1.73m2体表面積と腎機能低下を認めた。血管造影を施行したところ動脈瘤は広基性嚢状であり,動脈瘤中枢側の腎動脈には限局性高度狭窄を認めた。また造影剤は腎動脈瘤内に停滞し,末梢へのフローは不良であった。腎動脈狭窄の治療も兼ねて,動脈瘤に対する治療として,ステント留置によるneckplastyを併用し動脈瘤のコイルパッキングを企図した。治療は成功し,腎動脈血流の著明な改善が認められた。また,術翌日の採血でeGFR=71mL/分/1.73m2体表面積と腎機能の改善を認めた。腎動脈瘤治療により腎機能の改善を認めた報告は検索した限り少ないため,文献的考察を含め報告する。