第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

動脈瘤1

Thu. Oct 30, 2014 3:20 PM - 4:02 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 小林昌義(藤田保健衛生大学医学部 心臓血管外科)

3:20 PM - 4:02 PM

[P-1-6] 大腿深動脈瘤の2例

沼田幸英, 山中雄二, 斉藤隆之 (刈谷豊田総合病院)

Keywords:deep femoral aneurysms, peripheral aneurysms

【症例1】86歳,男性。腹部大動脈瘤の術後より,左大腿深動脈の拡大を指摘されており,徐々に増大していた。CTにて径53mmと拡大を認め,硬膜外麻酔下に手術を施行した。大腿深動脈の末梢は径が細いため,再建は困難と判断した。動脈瘤を切開し,瘤内より流入・流出孔を直接縫合閉鎖,瘤壁を縫縮して閉鎖した。病理所見は真性瘤であった。術後19日目に独歩退院となった。【症例2】84歳,男性。急性胃潰瘍穿孔にて腹腔鏡下大網充填術を施行された際,CTにて径37mmの右大腿深動脈瘤を指摘された。腹部大動脈瘤はY-グラフト置換術後であり,左総腸骨動脈にも径25mmの瘤が認められた。高齢であり,左室駆出率48%と低下を認めるため,破裂リスクのある右大腿深動脈瘤に対し手術を施行した。全身麻酔下に動脈瘤を切除し,大伏在静脈を用いて大腿深動脈を再建した。病理所見は真性瘤であった。術後経過は良好であり,術後11日目に独歩退院となった。大腿深動脈瘤は末梢動脈瘤の0.5%ほどと稀な疾患である。当院にて2例の手術例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する。