第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

リンパその他

Thu. Oct 30, 2014 4:38 PM - 5:14 PM 第7会場 (第2練習室)

座長: 末廣晃太郎(山口大学医学部器官病態外科学 血管外科)

4:38 PM - 5:14 PM

[P-10-2] 下肢バイパス術後難治性リンパ漏に対してリンパ管造影及びV.A.C. thrapyを行い効果的であった一例

土肥俊一郎 (医療法人清幸会土肥病院 心臓血管外科)

Keywords:lymphography, V.A.C. therapy

症例;87歳男性 既往歴;高血圧症,慢性心房細動,慢性気管支炎 現病歴;平成25年9月4日より急に右下肢疼痛出現し重症虚血肢の疑いにて紹介入院となった。現症;両下趾チアノーゼ右>左,両大腿動脈以下触知せず,ABPI = 右0.2,左0.3と著明に低下。造影CT;腹部大動脈末端~両総腸骨動脈閉塞,右膝窩動脈閉塞。治療;9月17日右鎖骨下動脈→両側大腿動脈バイパス(gelsoft 8×7×7mm)及び右膝窩動脈(above knee)→右後脛骨バイパス(inSitu SVG)を行った。下肢虚血症状は消失されたが術後1ヶ月頃より右下肢バイパスの中枢吻合部付近創部より持続的なリンパ液の漏出を認めるようになり,10月30日にデブリードメン+再縫合+ドレナージを行った。ドレーン抜去後もリンパ液の漏出続き11月20日にドレーン孔縫合閉鎖したが更に周囲の創部を介してリンパ液の漏出が増加したため,リンパ液漏出部位の同定及び可能な場合外科的結紮目的に加えリピオドールのリンパ管塞栓効果に期待し11月27日キンモンス法に準じてリンパ管造影を施行した。同時に創部を拡げリンパ漏と思われるリピオドールにて濃染される部位を可能な限り結紮し閉創した。手技後即時のリンパ漏の改善はみられず創部治癒も得られなかった為,2週間後よりV.A.C. therapyを導入した。閉鎖システムにての吸引開始後1週間弱でリンパ液の減少及び創部の治癒促進が観察された。V.A.C therapyは4週間行い,その後リンパ液の漏出無く治癒を得ることが出来た。結語;重症虚血肢に対するバイパス術後の患者の右大腿部難治性リンパ漏に対しリンパ管造影及びV.A.C. therapyにて加療し根治を得ることが出来た。