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[P-11-6] 当院におけるDVT発症時のケアのプロセスの標準化に向けた検討
Keywords:deep vein thrombosis, vascular ultrasonography
【目的】当院では,下肢静脈エコーで深部静脈血栓症(DVT)を認めた場合,直ちに主治医に報告し,心エコー追加の確認を行っている。しかし,対応は医師によって異なる。そこでDVT発症後のケアのプロセスの標準化を目的として調査を行った。【対象】2013年に下肢静脈エコーを実施した521名(男性199名,女性322名,18~99歳,重複症例を含む)。【結果】(1)新規発症のDVT患者は81名(表在血栓6名含む)で,15名に腸骨・大腿静脈血栓,60名に末梢型血栓,6名に表在血栓を認めた。IVC filterが7名(6名は腸骨,大腿静脈血栓,1名は膝窩部フローティング型血栓)に留置された。心エコーは57名に施行され,エコー上PHはなかったが肺塞栓症を3名(1名は末梢型血栓)に認めた。循環器内科紹介の人数は,外科でDVTあり13名のうち9名,整形外科42名のうち22名,産婦人科は2名ともで,神経内科9名は紹介がなかった。37名で下肢静脈エコーによる経過観察がおこなわれ,依頼医師は,外科(循環器内科医5名,担当医0名),整形外科(14名VS,8名)であった。(2)周術期176名では,41名(23.3%)にDVTを認め(中枢型血栓3名,末梢型血栓35名,表在静脈血栓3名),IVC filterが3名(外科術前1名,整形外科術後2名)に留置された。抗凝固は従来のヘパリン15名,新規抗凝固薬69名であった。整形外科術後のDVT発症は,抗凝固あり41名中6名,なし59名中23名で発症率に有意差を認めた(p=0.008)。【結論】整形外科の術後症例では,抗凝固なし群でDVT発症率が高かった。また,DVT発症時の対応は医師の裁量によるところが大きいが,ケアのプロセスの標準化とベストプラクティスをめざして情報を共有していく必要がある。