第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

TEVARその他

2014年10月30日(木) 16:02 〜 16:44 第7会場 (第2練習室)

座長: 志村信一郎(東海大学医学部付属病院 心臓血管外科)

16:02 〜 16:44

[P-12-6] 腹部大動脈人工血管置換術9年後の腎動脈下腹部大動脈破裂の一症例

水野敬輔1, 寺本慎男2 (1.豊田厚生病院 脈管外科, 2.豊田厚生病院心臓血管外科)

キーワード:aortic rupture, PAU

症例は72歳男性。平成15年に腹部大動脈瘤,胸部大動脈瘤に対し腹部大動脈置換術および大動脈弓部置換の既往があり,定期的に造影CTで経過観察されていた。数日前より腹痛あり,突然腹痛増悪し救急搬送された。来院時血圧157/98mmHg 脈拍89 SpO2:95 造影CTで右腎動脈下の腹部大動脈破裂を認めたため緊急手術を行った。全身麻酔下で開胸開腹,腹腔動脈上で大動脈遮断し,前回手術の人工血管吻合部を離断すると,右腎動脈下大動脈前壁にpanced out様の破裂孔を認めた。破れた腎動脈下腹部大動脈を人工血管で置換した。術後黄疸が遷延したが,術後26日目に退院となった。3か月前のCTでは,腎動脈下大動脈は最大短径35mmであるが,右前方に内腔が突出するPAU(penetrating atherosclerotic ulcer)様の所見を認めた。