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[P-16-4] 大陰唇静脈瘤を透視下硬化療法により加療した一例
キーワード:vulvar varices, foam sclerotherapy
陰部静脈瘤は下肢静脈瘤の4人に1人に出現するとされている。外陰部よりの静脈瘤が大腿内側から背面にかけて連続している事が多い。一方,陰部静脈瘤が大陰唇に弧発性に出現していることもある。われわれはこのような大陰唇静脈瘤を経験,フォーム硬化療法にて治療した。若干の文献的考察も交えて報告する。【症例】39歳,女性。事務職に従事。(主訴)「陰部の静脈瘤から出血した」(既往歴)特記すべきことなし。妊娠・出産歴:2回。(病歴)生来健康。平成17年夏に第二子出産。その後より外陰部に静脈瘤を自覚した。平成24年頃より,生理中に静脈瘤部の鈍痛が出現するようになった。平成25年,静脈瘤が硬くなって出血した。本年2月に再度,1回目よりも多くの出血を静脈瘤より認めたため,当院下肢静脈センターを初診した。(身体所見)伏在静脈不全なし。下肢には,大腿内側から背面も含めて,明らかな下肢静脈瘤はなかった。Duplex scan上,SFJ近傍のGSV分枝の怒張もなかった。大陰唇に径1-2mmの小さな静脈瘤が散在していた。静脈瘤は大陰唇両側に認められた。(治療)初回治療であることもふまえ,まず,透視下硬化療法を計画した。大陰唇の静脈瘤を30G注射針で穿刺。造影した。大陰唇内の静脈瘤,および,内陰部静脈が造影されたことを確認,その後,1%エトキシスクレロールを用いたfoam硬化剤を注入した。注入後,枕子を使用し5分圧迫。その後はパンスト型弾性ストッキング着用を指導,圧迫してもらった。患者の症状は軽快した。現在,外来経過観察中である。